
本記事の目的
オンプレミス環境でOracle Databaseを利用している方向けに、Oracle CloudのOCI Database(DBaaS)への移行を検討する際に参考になりそうな情報をまとめてみました。
※マニュアルへのリンク先は最新である英語版としていますが、必要に応じて日本語マニュアルも参照ください。
※今後も情報追記予定。お奨めの資料やサイトなどあれば、コメントなどでお知らせいただけると嬉しいです。
前提:Oracle Cloudのコンセプト
Oracle Cloudの重要なコンセプトとして、オンプレミスの製品とパブリック・クラウドのサービスを「同じ製品・同じアーキテクチャ」で提供するというものがあります。
若干古いですが、参考記事はこちら↓
Oracle Cloudのデータベースサービスの一つであるOCI Database(DBaaS)は、この「同じ製品・同じアーキテクチャ」をリアルに実現しているサービスと言えます。そのため、基本的にはオンプレミスのOracle Database同士での移行(アップグレード含む)と同様の手順を活用すれば、DBaaSへの移行を実現できるはずです。
ここからは上記前提を踏まえた上で、Oracle Cloud/DBaaSならではの考慮事項を踏まえつつ、参考となりそうな情報を紹介します。
考慮すべき特性
ご存知の通り、Oracle Databaseでは様々な移行メソッド(手段)を提供しています。
データベース管理者は、移行対象システムの構成や移行要件に応じて、最適な移行メソッドを選択することになります。
その際に考慮すべき要素として、マニュアルでは以下のようなものがあると定義されています。
- On-premises database version
- Database service database version
- On-premises host operating system and version
- On-premises database character set
- Quantity of data, including indexes
- Data types used in the on-premises database
- Storage for data staging
- Acceptable length of system outage
- Network bandwidth
どうでしょう?オンプレミス環境でのDB移行で考慮すべき要素とほぼ同じですね。
上記以外だと、移行対象データベースのエディションや、12c以降であればマルチテナント環境かどうかも考慮すると良いと思います。
移行接続オプション
前述の考慮すべき特性にも挙げられていますが、クラウド上へのデータベース移行となると、大量のデータをどのようにクラウド環境へ持っていくかが重要なテーマになると思います。
Oracle Cloudでは以下のような移行接続のオプションが提供されています。
- インターネット接続:最もお手軽
- IPSec VPN:インターネット回線でのセキュアな通信を実現したい場合の選択肢
- FastConnect:いわゆる専用線サービス
- Data Transfer Service:オフラインでデータを転送するためのソリューションを提供
上の3つの接続方法に関して解説している公式ブログの記事があったので紹介しておきます。
・[Cloud, Network] Interconnecting Clouds with Oracle Cloud Infrastructure
Data Transfer Serviceについては公式ホームページの記事だけ紹介しておきます。
・Data Transfer
(ちなみに、先日受けたオラクルマスターOCI資格認定試験ではこのサービスに関してやたらと聞かれたので、資格試験合格を目指す方も要チェックです)
移行手段
マニュアルで定義されている移行手段は以下のようなものがあります。
(リンク先には移行手段毎の手順概要も記載されています)
- Data Pump Conventional Export/Import
- Data Pump Full Transportable
- Data Pump Transportable Tablespace
- Remote Cloning a PDB
- Remote Cloning Non-CDB
- RMAN Cross-Platform Transportable PDB
- RMAN Cross-Platform Transportable Tablespace Backup Sets
- RMAN Transportable Tablespace with Data Pump
- RMAN DUPLICATE from an Active Database
- RMAN CONVERT Transportable Tablespace with Data Pump
- SQL Developer and INSERT Statements to Migrate Selected Objects
- SQL Developer and SQL*Loader to Migrate Selected Objects
- Unplugging/Plugging a PDB
- Unplugging/Plugging Non-CDB
沢山ありますねー。
(データベース以外の製品・サービスを使った移行手段まで含めると、もっとありそうですが)
これらを参考に、システムの構成や移行要件に応じて、最適な移行メソッドを選択しましょう。
ちなみに、「Data Pump Transportable Tablespace」を利用した移行検証結果を以下の記事に書いてますので、参考としてください。
・[Oracle Cloud] DBaaSへのDB移行手順検証:11gR2->18c(DataPump TTS編)
参考情報
最後に、Oracle Databaseの移行やアップグレードを扱っている記事などを紹介します。
Oracle CloudやDBaaSに特化した内容ではないですが、参考になると思います。
・Oracle Database Technology Nightのアップグレード関連記事
「データベース・アップグレードのススメ for Oracle Database 12c Release 2」
・「アップグレード成功のために知りたいこと、知っておきたいことを語ろう」
・ホワイトペーパー「Oracle Database 12c Release 2 (12.2.0.1)へのアップグレードと移行」
・Move to the Oracle Cloud
ソースDBとターゲットDBのバージョンを選ぶと、移行手法を推奨してくれるサイト。
おすすめリンク集なども。
・Database Migration to Oracle Cloud Infrastructure blog series
・ソリューション・プレイブック「データベースの移行中の停止時間の短縮について学ぶ」
※良さそうな情報があれば追加予定
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