[Oracle Cloud] 2020年にリリースされたDBCS関連の新機能を振り返ってみた

目次

本記事の目的

こちらの記事は 「Oracle Cloud Infrastructure Advent Calendar 2020」のDay 12 の記事となります。

少し早いですが、2020年にリリースされたOracle Cloud Infrastrucutre(以下、OCI)のDatabase Cloud Serivice(以下、DBCS)関連の新機能を振り返ってみます。

 

ちなみに、ちょうど一年前の同じ日にも同様の記事を書いてたりします。

[Oracle Cloud] 2019年にリリースされたOCI Database(DBaaS)関連の新機能を振り返ってみた

さらに余談ですが、当時は他のサービスと区別するためDBaaSと呼んでたんですが、途中からDBCSと呼ぶのが主流?となったようで、最近ではDBCSと表記するようにしています。

 

リリースされた機能一覧(DBCS関連)

Oracle Cloudの新機能は以下のリリースノートに随時アップされています。

Release Notes

上記ページの左側にあるメニューからサービス毎の新機能を確認できるので、今回はDatabaseサービスカテゴリの中から、DBCS関連のものを抽出して確認してみました。

なお、Databaseサービスカテゴリには、DBCS以外にもExadata Cloud Service(以下ExaCS)やAutonomous Database Cloud Service(以下、ADB)といったサービスの機能も含まれているので、タイトルを眺めつつざっくり抽出しています。「ざっくり」てのがポイントです。

 

抽出結果はこちら↓

新機能名称 リリース日
Bare metal and virtual machine DB systems: Oracle Database 21c available for provisioning new DB systems 2020/12/9
Bare metal and virtual machine DB systems: Upgrade database instances to Oracle Database 19c using the Console or API 2020/11/18
Update administrator and TDE wallet passwords from the Console’s Database Details page of a bare metal or virtual machine DB system database 2020/11/12
Virtual machine DB systems: rolling shape change 2020/10/21
Create custom database software images for bare metal and virtual machine DB systems 2020/9/16
Virtual machine DB system cloning available for single-node systems using LVM storage management 2020/9/2
Bare metal and virtual machine DB systems now use per-second billing 2020/7/14
Create a point-in-time copy of a database in a virtual machine or bare metal DB system 2020/6/17
Create a database using an archived redo log backup in a virtual machine or bare metal DB system 2020/6/17
Switch your Oracle Database license type for Exadata, bare metal, and virtual machine DB systems 2020/5/6
Configuring Oracle Data Guard across regions 2020/3/31
Serial console connections to bare metal or virtual machine DB systems available for system management and troubleshooting 2020/3/30
Virtual machine DB system node rebooting for planned maintenance 2020/3/19
Time zone selection for bare metal and virtual machine DB systems 2020/3/9
Bare metal and virtual machine DB system patching – previous patch now offered for patching 2020/3/6
Changing the shape of a virtual machine DB system 2020/3/4
Oracle Database 20c preview version available for virtual machine DB systems 2020/2/14
Support for different shapes in a DB system Data Guard association 2020/1/30
January 2020 Patch 2020/1/21
Database: Work request support for bare metal, VM, and Exadata DB systems 2020/1/14
Oracle Database 19c on bare metal DB systems 2020/1/7

2019年は16個でしたが、2020年(本日時点)では21個の新機能となってました。

今年は便利な機能が大量にリリースされた感触がありましたが、数の点でも去年よりも多かったということで、DBCSの進化を改めて感じることが出来ました。

ちなみに、Databaseサービスカテゴリの新機能のうちDBCS関連が21個、ExaCS関連が30個、ADB関連が45個という割合でした。やはりAutonomous により力が入ってる感。

 

 

各機能に関する解説

それではここから、2020年にDBCSで提供された新機能を一言コメントで古い順からサクッと振り返ってみます。

思い出しながら一気に書いたこともあり、粗いまとめになってる感があるので、詳細についてはマニュアルの方もぜひ参照してください。

 

Oracle Database 19c on bare metal DB systems

バージョン19cがベアメタル環境向けに提供されたのがこのタイミングでした。

DBCS(VM/仮想マシン)向けに提供されたのが、2019/7/20だったので半年も後だったようです。

 

Database: Work request support for bare metal, VM, and Exadata DB systems

コンピュート・インスタンスでは以前から提供されていたWork Request(作業リクエスト)の画面がDBCSでも提供されました。

プロビジョニングやパッチ適用など比較的長時間かかる処理の作業進捗や実行結果のステータスが確認できます。
(進捗率の精度がもう少し上がって欲しいところですが)

Work Requestに対応している機能の一覧はこちら。
作業リクエストを作成するデータベース・サービス操作

 

January 2020 Patch

DBCSに対するパッチリリース情報。そういえば最近はリリースノートに記載されなくなった模様。

 

Support for different shapes in a DB system Data Guard association

DBCSではData GuardをコンソールやAPIを利用して簡単に構築できますが、プライマリとスタンバイで異なるシェイプを選択できるようになりました。構成の柔軟性があがり、コストの最適化もより実現しやすくなりました。

 

Oracle Database 20c preview version available for virtual machine DB systems

クラウド・ファーストということで、オンプレミス環境への提供前にクラウド環境でOracle Database 20cのプレビュー版が提供されました。

当時、環境を作って記事を書いてました。まさかプレビュー版だけで正式リリースされない結果となるとは。。

[Oracle Cloud] Oracle Databaseの20c preview版をインストールしてみた

 

Changing the shape of a virtual machine DB system

コンピュート・インスタンスと同様、DBCS(VM)でも再起動のみでシェイプ変更が可能となりました。

実際に何度かお世話になりましたが、本当に便利!

紹介記事があったので紹介↓

OCI DBaaS(VM)でシェイプを変更できるようになったよ 

 

Bare metal and virtual machine DB system patching – previous patch now offered for patching

最新のパッチに加えて、2つ前のパッチまで適用できるようになりました。
(以前は最新パッチしか適用できなかったんだっけな?)

 

 

Time zone selection for bare metal and virtual machine DB systems

プロビジョニング時にUTC以外のタイムゾーンを選べるようになりました。
(リリース当初は、タイムゾーンも選べなかったのか。。過去の制約なんてドンドン忘れていく。)

 

Virtual machine DB system node rebooting for planned maintenance

コンピュート・インスタンスの対応シェイプと同様、DBCS(VM)が稼働している物理マシンのメンテナンスが必要となった際に、任意のタイミングで再起動して別マシンへ移行することでメンテナンスを実施できるようになりました。

これにより、メンテナンスへの対応がより簡単となり、実施タイミングも柔軟に選択できるようになりました。

 

Serial console connections to bare metal or virtual machine DB systems available for system management and troubleshooting

コンピュート・インスタンスと同様、シリアルコンソール接続が利用できるようになりました。

通常のSSH接続ができなくなった時のトラブルシューティングなどで活用できるはず。

 

こうしてみると、コンピュート・インスタンスに提供されていた機能が続々とDBCSに反映されていってることが分かります。
(個人的にはモニタリング・サービスに対応して欲しいのですが、果たして対応される日はくるのだろうか。。)

 

Configuring Oracle Data Guard across regions

リージョン跨ぎの自動Data Guardが構成できるようになりました。

例えば、東京と大阪での災対構成もボタン一つで簡単に組めるように!

これも検証記事を紹介↓

[Oracle Cloud] DBCS リージョン間の高可用性構成をしてみた 

 

 

Switch your Oracle Database license type for Exadata, bare metal, and virtual machine DB systems

ライセンスタイプを環境構築後に変更できるようになりました(これまではプロビジョニング時にしか選択できなかった)。

どういうユースケースがあるのかよく分かりませんが、間違って選択してしまった時には便利?!

 

Create a database using an archived redo log backup in a virtual machine or bare metal DB system

自動バックアップ機能を有効化した環境において、最新のアーカイブREDOログを利用して新しいデータベースを作成できるようになりました。この機能リリースとあわせて、アーカイブログも定期的にバックアップされるようになりました。

 

Create a point-in-time copy of a database in a virtual machine or bare metal DB system

こちらはタイムスタンプを指定して、指定した時点までのバックアップを利用したデータベース作成も可能に。

 

Bare metal and virtual machine DB systems now use per-second billing

DBCSの課金単位がこれまでの時間単位から秒単位へ。検証用途などの一時利用の際にも、より使いやすくなりました。

 

 

Virtual machine DB system cloning available for single-node systems using LVM storage management

ストレージタイプにLVMを指定した場合のみ(つまりは原則として本番環境以外での利用想定)ですが、クローニング機能が利用できるようになりました。

 

Create custom database software images for bare metal and virtual machine DB systems

DBCSのプロビジョニング時に利用できるソフトウェアイメージを作成できるようになりました。

例えば、個別パッチを沢山適用した環境を複数作成したい場合に、最初にカスタムイメージを用意して、それを利用することでプロビジョニング作業を効率化することなどが考えられます。

ちなみに、ブートボリュームを丸っと保存するコンピュート・インスタンスのカスタムイメージとは役割が異なるので注意。

 

Virtual machine DB systems: rolling shape change

RAC構成でのシェイプ変更がローリング形式で実行できるようになりました。

シェイプ変更ではマシンの再起動が必要ですが、これによりシステムのダウンタイムを抑えやすく。

 

Update administrator and TDE wallet passwords from the Console’s Database Details page of a bare metal or virtual machine DB system database

管理者パスワードとTDE Wallet(キーストア)のパスワード変更をコンソールが実施できるようになりました。

従来のsqlplusでの変更と何が違うのかなど気になるところですが、より便利になったようです。

 

 

Bare metal and virtual machine DB systems: Upgrade database instances to Oracle Database 19c using the Console or API

DBCSで構築済みのデータベースのバージョンをインプレイスで19cへアップグレードできるようになりました。
(つまりは、18c以下のデータベースを利用している環境向けの機能。GIで19cを利用している等の前提条件あり)

これまではプロビジョニングした後にデータベースのバージョンをアップグレードしたい場合、新しいバージョンで新環境を構築してデータを別途移行する必要がありましたが、この機能がリリースされたことで、より簡単にアップグレードできるように。

実際にアップグレードが必要となった場合に、この機能を利用するかは検討の余地があると思いますが、選択肢が増えるのは嬉しい限り。

 

Bare metal and virtual machine DB systems: Oracle Database 21c available for provisioning new DB systems

そして最後が大物リリース。Oracle Database 21cが新年を待たずしてDBCS環境でリリースされました。

早速、いくつか記事も見かけました。自分も近日試して記事を書いてみようと思ってます。

Oracle Database 21c正式版が登場。データベース内でJavaScript実行可能、改ざんできないブロックチェーンテーブルなど新機能

Oracle 21cリリース!& 新機能/サポート終了/非推奨機能メモ

Oracle Database 21c is available in the cloud – plus documentation

 

おまけ

本記事の作成ついでに、リリースノートに記載されている情報を利用して、いくつか傾向分析してみました。

詳細はこちら↓

[Oracle Cloud] Release Notesから新機能リリースの傾向分析をしてみた

 

 

おまけ2

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